「ねえ、今日は学校行きたくない……」 4月。桜が咲いてピカピカのランドセルを背負ったはずのあの子が、朝になって急に玄関でしゃがみ込む。「え、なんで?」と焦ってしまう親御さんの気持ち、私にはよくわかります。
私自身、今年6歳になった息子が小学校に入学し、「行き渋りが出たらどうしよう」と入学前からずっと考えていました。だからこそ、入学前から息子と意識的に対話を重ね、「学校って面白そう」と感じてもらえるように働きかけてきました。おかげで今のところ大きな行き渋りなく通えていますが、それは「たまたま」ではなく「事前の準備」があったからだと感じています。
今日は、その経験と子育て本から学んだ知識をもとに、新学期の行き渋りを穏やかに乗り越えるための方法を、父親目線でお伝えします。
①【共感】「学校行きたくない」は、子どもからのSOSかもしれない
4月の新学期は、大人でも環境が変わればストレスを感じますよね。まして子どもにとっては、クラス替え・新しい先生・新しい友達・新しいルール……すべてが「未知」との連続です。
「え、もう行き渋り?まだ入学したばかりなのに」と思ってしまうかもしれませんが、行き渋りが出るのは、子どもがちゃんと学校で頑張っている証拠です。
学校でいい子にしている分、家に帰ってくると気が抜けて「もう行きたくない」となる。これは子どもの心理として、ごく自然な反応なのです。だからまず、「うちの子だけ?」と不安にならないでほしいのです。
②【問題の本質】「甘えている」じゃなく「疲弊している」
行き渋りが起きたとき、多くの親御さんが最初にやってしまいがちなのが「甘えてるだけ」「みんな頑張ってるんだから」という声かけです。
でも実は、これが逆効果になることがあります。
子どもは学校で「感情を表に出さず、指示に従い、集団行動をとる」という、大人でも消耗する作業を毎日6〜7時間続けています。脳も体もフル回転。帰宅後はまさに電池切れ寸前の状態です。
問題の本質は「意志の弱さ」ではなく、「エネルギーの枯渇」です。ここを理解できると、子どもへの声かけも自然と変わってきます。
私自身は入学後に大きな行き渋りは経験していませんが、それは「帰ってきたときの表情」を毎日注意深く観察してきたからだと思います。言葉には出さなくても、顔色・食欲・ちょっとした仕草に「今日はしんどかった」のサインが出ていることがあります。そのサインを見逃さないことが、行き渋りを未然に防ぐ第一歩だと感じています。
③【原因3つ】なぜ新学期に行き渋りが起きるのか
原因① 環境の変化による「感覚過負荷」
新学期は、教室の場所・先生の顔・クラスメートの構成など、あらゆる「いつもと違う」ことが重なります。特に感受性の強い子や、繊細さを持つ子は、この情報の洪水に圧倒されやすいです。
「学校が嫌い」なのではなく、「変化が多すぎて処理しきれていない」だけということが多いです。
原因② 「比べられる不安」が積み重なっている
小学校では、どうしても「誰が早く読めるか」「算数はできたか」という競争意識が芽生えやすくなります。まだ6〜7歳の子どもにとって、「できない自分」を見せることは大きな恐怖です。
「また間違えたらどうしよう」という不安が毎朝重くのしかかっていることも少なくありません。
原因③ 「家=安心できる場所」だから本音が出る
行き渋りが家でしか起きないのは、子どもにとって家が「本音を言える安全地帯」だからです。これはむしろ、家庭環境が健全な証とも言えます。
逆に言えば、家でも行き渋りを感じさせない・本音を言わせない環境になってしまうと、後になって突然の不登校という形で爆発することがあります。
④【解決方法】親としてできる5つのアプローチ
方法① まず「気持ちを受け取る」だけでいい
「学校行きたくない」と言われたとき、すぐに説得しようとしないことがポイントです。まずは「そっか、疲れてるんだね」と、子どもの感情をそのまま受け取ってあげてください。
共感の言葉が、子どもの心の安全弁になります。
私が実際にやっていたのは、入学前から「学校ってどんなとこだと思う?」「給食、何が食べたい?」と息子に問いかけること。怖いイメージより楽しいイメージを先に植え付けておく対話です。おかげで息子は入学初日、いつもより20分ほど早く起きて用意をし、渋ることなく登校しました。事前の対話が、心理的なハードルを大きく下げてくれたと実感しています。
方法② 「楽しみな何か」を一緒につくる
「学校に行かなければならない理由」より、「学校に行ったら楽しいこと」を一緒に探してみましょう。好きな給食メニューの日・仲良しのお友達と会える日・体育や図工がある日など、小さな楽しみを見つけて「今日は〇〇あるじゃん!」と声をかけると、気持ちが前向きになりやすいです。
特に学校から配布される資料などは親だけで読もうとせず、子どもと一緒に読むと一体感が出て積極的に取り組もうとします。
方法③ 登校前のルーティンを決める
毎朝のルーティンを決めることで、子どもの不安は減ります。「起きたら顔を洗って、朝ごはんを食べて、歯を磨いて」など、流れを固定するだけでも「今日も同じ朝だ」という安心感が生まれます。
ルーティンは、不安な心を「いつも通り」に戻してくれるリセットボタンです。
方法④ 先生と小まめに連絡を取る
行き渋りのサインを感じたら、担任の先生に「家でこんな様子があります」とひと言伝えておくと、学校側も配慮してくれます。特に1年生の場合、先生が「今日は〇〇くんに声かけておくね」と一声かけてくれるだけで、子どもの緊張感が和らぐことがあります。
方法⑤ 休ませることも、時には正解
「休ませてはいけない」と思いがちですが、状況によっては一日休ませることが最善のこともあります。無理に引き剥がして学校へ送り出すと、学校への恐怖感が強まるリスクがあります。
休んだ翌日には「ゆっくりできたね。今日はどうする?」と穏やかに確認し、本人の意思を尊重しながら一緒に考えましょう。
⑤【具体アクション】今日からできること3つ
難しく考えず、今日から始められることを3つだけ挙げます。
- ①帰宅後の「おかえり」を1秒長くする
玄関で「おかえり!今日どうだった?」と笑顔で聞くだけで、子どもは「ここは安心できる」と感じます。ただし、根掘り葉掘り聞くのはNG。まずは受け取るだけ。 - ②就寝時間を10分早める
子どもの行き渋りの多くは「睡眠不足」に起因しています。小学生に必要な睡眠は9〜10時間。入眠時間を考え今夜からいつもより10分だけ早く布団に入る習慣をつけてみてください。 - ③翌朝の「楽しみ」を前夜に一緒に探す
「明日の給食、何かな?」「明日は誰と遊ぼうか?」など、就寝前に翌日の小さな楽しみを一緒に話す時間をつくりましょう。これだけで、朝の気持ちが違います。
⑥【まとめ】焦らず、一緒に春を越えよう
新学期の行き渋りは、多くの親御さんが経験することです。「なんでうちの子だけ」と自分を責める必要はありません。子どもはちゃんと頑張っています。そして、あなたもちゃんと向き合っています。
大切なのは、「学校に行かせること」より「子どもが安心して話せる親でいること」です。
私自身、息子と向き合いながら子育ての本をたくさん読んできました。その中で「これは役に立った!」と思える本や体験・ツールを、おけけの本棚では随時ご紹介しています。
子どもの心を育てるヒントが詰まった本・体験・ツールをぜひのぞいてみてください。あなたの子育てに、少しでも光が差し込みますように。
おまけ
昨日は息子の初登校日でした。午前中で授業は終わる予定です。
予定時刻に合わせて嫁さんがお迎え場所まで行く予定にしていましたが、
行くというその時に息子が一人で帰ってきました。
予定よりも20分ほど早く終わったらしく、息子は母親のお迎えがない中、一人で家路についていました。途中で涙がこぼれたそうです。
寂しい気持ちながらも一人で帰ってきた息子のエピソードを聞いて、自分自身うるっときてしましました。


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